雪の丘

北海道・美馬牛の朝の風景

 

2001年3月13日

by OLYMPUS C-2100CZ


美馬牛市街
【美馬牛市街】

 

 

早朝、宿を抜け出し、美馬牛の町を歩く。

 

残月が、青く町を照らす。

 

昨夜の湿った雪は止み、快晴になっていた。

 

冷気に晒される顔が痛い。

美馬牛小学校
【美馬牛小学校、遠景】

 

町はずれの小学校

夜明けの空の元、

 

名物の時計台も

 

閑かに眠っている。

 

 

 

 

 

 

 

日の出を迎え、

 

東の空がどんどん赤味を増してくる。

 

十勝岳の噴煙に、

 

一足先に朝日が射し始めた。

 

 

陽が昇る。

 

周囲の木々が明るく輝き始める。

 

しかし

 

堅く凍り付いた冬の朝の空気は

 

なかなか融けようとはしない。

海老の尻尾
【海老の尻尾】

 

枯れた草

 

木々の枝

 

地面

 

みんな、凍り付いている。

 

天然のガラス細工。

 

 

美馬牛小学校
【とんがり帽子】

 

小学校のとんがり帽子にも陽が射し始め、

 

凍り付いた雪が輝くその様子は、

 

おとぎの国の砂糖菓子の家のよう。

 

 

雪の丘
【雪の丘】

 

輝き出す雪の丘。


きらびやかな光景とは裏腹に


辺りは静寂に包まれている。

 

 

 

雪原

 

道端の、

 

何でもない雪の吹きだまりにも、

 

ドラマチックな光景が展開される。

 

 

 

雪原

 

雪の粒


氷の粒


空気の粒


みんなキラキラ輝き出す。

 

 

 

雪原と氷の枯れ草

 

雪の舞台で


氷の衣装を着込んだ草たちの


今日は一世一代の晴れ舞台。

 

 

 

霧氷
【霧氷】

 

寒々と町を照らしていた月も


今では、

 

青空に溶けかかった砂糖菓子のよう。

 

 

雪道
【帰り道】

 

朝の一大パノラマを堪能し、


凍り付いた身(とカメラ)を震わせながら


雪道をとぼとぼと帰るのでした。

 

 


雪の十字架

 

そしていつか十力の金剛石は

丘いっぱいに下って居りました

(宮沢賢治・著「十力の金剛石」)

 

 

〜 おわり 〜